さつまいも栽培

さつまいも栽培でカリウムを使用する理由とは?タイミングと量は?

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さつまいも栽培でカリウムを使用する理由とは?タイミングと量は?

さつまいもの栽培において、カリウムは収穫量と品質の双方を左右する最も重要な肥料成分の一つです。

カリウムは光合成によって葉で作られた炭水化物を効率よく地中の塊根へ運び込んで蓄積させる役割を担っているため、農家の間では古くから「根肥え」と呼ばれ重宝されてきました。

そんなカリウムが不足するとつるばかりが勢いよく伸びて肝心の芋が大きくならない、いわゆるつるぼけの状態に陥りやすくなります。

また、デンプンの含有量や甘みの強さ、貯蔵中の腐敗耐性にも深く関わっているため、さつまいも栽培では窒素よりもカリウムの比重を高めた施肥が基本となります。

施肥のタイミングと具体的な方法

さつまいもは栽培期間が長いため、まずは土作りの段階で元肥としてカリウムを投入するのが定石です。

植え付けの二週間ほど前までに土とよく混ぜ合わせておきましょう。

さつまいもは吸肥力が非常に強い作物であるため、初期段階からカリウムが土壌に馴染んでいることが、健全な根系の発達を助けます。

追肥については、つるが地面を覆い始める植え付け後四十日から六十日前後が目安となります。

この時期は塊根が急速に肥大を開始するタイミングで、カリウムの要求量がピークに達します。

マルチ栽培の場合は隙間から流し込むように施し、露地栽培であれば株元から少し離れた場所に散布して軽く土を寄せると根の伸長を促す効果が得られます。

適切な施用量と土壌管理のポイント

標準的な施肥量としては、十アールあたり成分量で十キログラムから十五キログラム程度を目指すのが一般的ですが、前作の残留肥料や土質によって調整が必要です。

例えば、火山灰土などカリウムが流亡しやすい土壌では少し多めに、逆に粘土質の強い畑では控えめに設定します。

過剰に与えすぎると今度はカルシウムやマグネシウムの吸収を阻害する拮抗作用が起きてしまい、葉が黄色くなるなどの欠乏症を招く恐れがあります。

あくまで窒素の倍近い量を目安にしつつ、株の勢いや葉の色艶を観察しながら、過不足のない管理を心がけることが、形の整った甘いさつまいもを育てる秘訣です。

肥料の種類による使い分け

使用する肥料の種類にもこだわりたいところです。

一般的には硫酸カリや塩化カリが用いられますが、さつまいもの場合は硫酸カリの方がデンプン価を高める効果が期待できると言われています。

また、草木灰はカリウムだけでなく微量要素も豊富に含んでいるため、有機栽培や家庭菜園の現場では非常に優れた資材として活用されています。

土壌の酸度調整も兼ねて、元肥として薄く混ぜ込む手法も有効です。

さつまいもの品質を一段階引き上げるためには、市販されている肥料の袋に記載された成分比率を正しく読み解き、自身の畑の土質に合った銘柄を選ぶことが重要です。

肥料袋の数字から読み解く黄金比率

一般的に肥料の袋には、窒素、リン酸、カリウムの順に数字が並んでいます。

さつまいも専用として販売されている銘柄の多くは、この比率が3対10対10、あるいは、4対8対12といったように窒素が控えめでカリウムが突出して高い構成になっています。

特に「芋専用」と銘打たれた化成肥料は、つるぼけを防ぐために窒素分をあえて抑え、デンプンの蓄積を助けるカリウムを効率よく吸収できるよう設計されています。

初心者の方であれば、まずはこうした専用肥料を選ぶのが最も失敗の少ない選択と言えます。

窒素とカリウムの比率

さつまいも専用肥料の成分比率を見て、窒素に対してカリウムが2倍どころか3倍以上も含まれていることに疑問を持たれるかもしれません。

一般的な野菜であれば、葉や茎を大きくするために窒素をある程度しっかり与えますが、さつまいもにとって窒素は「諸刃の剣」です。

土の中に窒素がわずかでも多すぎると植物は光合成で作ったエネルギーをすべて地上のつるや葉を伸ばすためだけに使ってしまい、肝心の芋に栄養が回らなくなります。

そのような問題を防ぐために専用肥料では意図的に窒素の配合を極限まで絞り込んでいます。

つまり、カリウムが多いというよりもまず「窒素を極端に少なく設定している」という引き算の考え方がベースにあるのです。

その結果として、相対的にカリウムの比率が窒素の3倍や4倍といった数値に見えるようになっています。

カリウムという成分は、土に撒いてもそのすべてがすぐに植物に吸われるわけではありません。

土壌中の粘土鉱物などに吸着されたり、雨水とともに流亡したりする分があるため、実際に植物が利用できる量は施肥量よりも少なくなります。

さつまいもは塊根を太らせるために膨大な量のカリウムを必要としますが、窒素のように「あればあるだけ吸って暴走する」という性質が比較的弱いため、安全マージンを含めて多めに配合されています。

専用肥料の配合は、多くの農家が長年の経験から「これくらい窒素を削り、これくらいカリウムを盛るのが最も収量が安定する」と導き出した黄金律なのです。

拮抗作用を回避するバランス

カリウムの過剰摂取はマグネシウムなどの吸収を妨げますが、専用肥料はそのリスクも計算に入れた上でバランスが取られています。

例えば、多くの専用肥料にはカリウムだけでなく、拮抗作用による欠乏を防ぐために苦土(マグネシウム)があらかじめ配合されていることがほとんどです。

成分比率の数字だけを見るとカリウムが突出しているように見えますが、それは「窒素による失敗(つるぼけ)」を確実に回避しつつ、芋の肥大に必要な「実質的なカリウム量」を確保するために計算されているのです。

カリウムの種類による使い分け

具体的な銘柄を選ぶ際、成分表の裏面を確認して「カリウム」がどのような形で含まれているかをチェックしてみてください。

主に「硫酸カリ」と「塩化カリ」の二種類がありますが、さつまいも栽培においては硫酸カリ主体の銘柄が良いでしょう。

硫酸カリは、塩化カリに比べてデンプン価を高める効果があり、焼き芋にした際のホクホク感やしっとりとした甘みを引き出しやすい特性を持っています。

また、塩素に敏感な作物に対しても安全性が高いため、繊細な食味を求めるプロの農家の多くが硫酸カリベースの銘柄を選んでいます。

有機質肥料と緩効性肥料の活用

食味だけでなく土壌の物理性を改善したい場合には、有機配合肥料という選択肢もあります。

菜種油かすや米ぬか、魚粉などがブレンドされた銘柄は、微生物の働きによって肥料成分がゆっくりと溶け出すため、長い栽培期間を通じて安定した栄養供給が可能です。

特に「ボカシ肥料」と呼ばれる、微生物で発酵させた銘柄は、カリウムの吸収を助けるだけでなく、土をふかふかにする効果も期待できます。

その結果、芋が地中でストレスなく肥大し、肌の綺麗な仕上がりにつながります。

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