
畑でじゃがいもを育てる場合、葉が大きく茂ってきた段階で「乾燥気味にしたほうがいい」とよく言われます。
ただ、この言葉をそのまま受け取って水を一切与えないようにしてしまうと今度はイモの肥大に影響が出てしまうこともあります。
「乾燥気味」という管理の本当の意味を段階ごとに理解しておくことが、おいしいじゃがいもを収穫するうえでとても大切です。
畑栽培の基本は雨まかせ
地植えや畑などでじゃがいもを育てているときは水やりをする必要はなく、自然の雨に任せるのが基本です。
ただし、10日以上雨が降らず土が乾燥しているようなら水やりをします。
プランター栽培とは異なり、畑には地中の保水力がありますので、通常の天候であれば雨だけで十分育ちます。
「乾燥気味に育てる」というのは積極的に水を切るということではなく、必要以上に水を与えず、土が過湿にならないよう管理するという意味合いです。
じゃがいもは、乾燥した痩せた土地での栽培が適しています。
土壌が多湿状態だと腐敗の原因になるだけでなく、味も水っぽくなってしまいます。
畑の場合は畝をつくって排水性を良くすることを心がけましょう。
つまり畑において「乾燥気味に育てる」とは、高畝にして水はけをよくし、雨水が長くとどまらない環境をつくることそのものだといえます。
葉が大きく茂ってきた時期の水分管理
葉がしっかり育ってくると地上部の成長に合わせて地中ではイモが少しずつ膨らみ始めます。
この時期は根がある程度張り、株自体が水分を吸い上げる力もついてきますので、土が多少乾いていても慌てて水を補給する必要はありません。
葉がしなってから水やりするなど、乾燥気味に育てていくようにするとよくイモが増えて充実していきます。
葉がピンとしている間は水はまだ足りているサインです。
葉がくたっとしおれてきたときに初めて水を与えるくらいの気持ちで管理するのが、畑栽培においてはちょうどよい目安になります。
開花後のイモ肥大期は例外
葉が茂り花が咲いた後、イモが本格的に肥大する時期だけは例外です。
開花後のいもが肥大する時期には最も水分を必要とするタイミングです。
この時期に水分が不足するといもの数や大きさに大きな影響が出るため、乾燥が続くようなら中2日ほどでしっかり水やりを行うのが理想的です。
ただし、湿気がこもらないようにするため、朝のうちに水やりを終えるのが望ましいです。
晴天続きで土が乾ききっているような日が続く場合は、畑であっても補水を検討することが必要です。
このタイミングで水が不足するとせっかく育ってきたイモが小さいまま止まってしまったり、実割れの原因になったりすることがあります。
収穫が近づいたらしっかり水を控える
収穫の間近になれば乾燥気味に育てましょう。
茎や葉が黄色みを帯びて枯れ始めてきたら、それ以降は水をほとんど与えないようにします。
地中の水分を少なめに保つことで、収穫後のいもの品質や保存性が良くなります。
この時期に水分が多いとイモの皮が固まらず、掘り上げた後に傷みやすくなってしまいます。
過湿が招くトラブル
雨が続いて畝の水はけが悪い状態が長く続くとそうか病や軟腐病といった病気が発生しやすくなります。
過湿や通気性の悪さが引き金になり、根が腐ってしまい収穫が不可能になることもあります。
水はけの良い土を使う、水のやりすぎを避ける、風通しを良くするといった対策が重要です。
畑でじゃがいもを育てるときに高畝にするのは、こうした病気を未然に防ぐためでもあります。
整理すると畑のじゃがいもは基本的に雨だけで育て、葉が茂ってきたら土が過湿にならないよう水はけに気を配り、花が咲いてイモが膨らむ時期だけ乾燥が続くようなら補水し、収穫前は土を乾かすというのが一連の流れになります。
生育ステージごとに判断を変えることが、畑でのじゃがいも栽培における水分管理の基本です。