
植え付けたじゃがいもの芽が無事に地上に顔を出すとひとまずは安心ですが、立派なじゃがいもを収穫するためには、芽が出た後の管理が非常に重要になります。
じゃがいもの芽が出たら放置は良くない
実は芽が出たままの状態で放置してしまうのはあまりおすすめできません。
質の良い芋を育てるためには、適切なタイミングでの間引きや土寄せといった作業が不可欠だからです。
じゃがいもの芽が数センチほど伸びてきた頃、一つの種芋から複数の芽が勢いよく伸びているのが確認できるはずです。
その芽をそのままにしておくと地中で育つ芋の数が多くなりすぎてしまい、一つひとつに栄養が行き渡らなくなります。
その結果、小粒な芋ばかりが密集してしまい、スーパーで見かけるような立派なサイズに育たなくなってしまいます。
芽かきの重要性とタイミング
そこで必要になるのが芽かきと呼ばれる作業です。
芽かきとは、たくさん出た芽の中から勢いのあるものだけを残し、それ以外を取り除く作業を指します。
一般的には、芽の高さが10センチから15センチ程度になった頃が最適なタイミングです。
あまりに早すぎると抜き取る芽を判別しにくく、逆に遅すぎると根が張りすぎて種芋を傷めてしまう可能性があるため、この時期を逃さないように注意してください。
残す芽の数は、一つの種芋に対して1本から2本程度に絞るのが理想的です。
太くて色が濃く、節の間が詰まっている元気な芽を選んで残しましょう。
作業の際は、残す芽の根元をしっかりと手で押さえ、不要な芽を横に倒すようにして引き抜くのがコツです。
力任せに真上に引っ張ってしまうと種芋ごと抜けてしまったり、残したい芽まで傷めてしまったりするため、丁寧に行うようにしましょう。
土寄せと追肥の役割
芽かきが終わった後も放置して良いわけではありません。
芽かきとセットで行いたいのが、追肥と土寄せです。
芽を減らした直後は植物にとってストレスがかかっている状態ですが、ここで肥料を与えることで残した芽の成長を促すことができます。
また、土寄せはじゃがいも栽培において最も重要な工程の一つと言っても過言ではありません。
じゃがいもは種芋よりも上の位置に新しい芋ができる性質を持っています。
成長に伴って土が盛り上がったり、雨で流されたりすると地中の芋が日光にさらされてしまいます。
芋が光に当たるとソラニンという有害物質を含む緑色の芋になってしまい、食用に適さなくなります。
そのような問題を防ぐために株元にたっぷりと土を盛り、芋が常に暗い土の中で育つ環境を維持してあげてください。
芽が出た後の数週間は、その後の収穫量を左右する大切な期間です。
少しの手間をかけるだけで、収穫時の喜びは格段に大きなものへと変わります。
土寄せという作業は、その言葉の通り、株の周囲にある土を成長した茎の根元に向かって寄せ集め、山のような形に盛り上げていく作業です。
じゃがいも栽培において、この作業は単に株を支えるだけでなく、新しい芋が育つスペースを確保し、日光から守るという極めて重要な役割を担っています。
土寄せを行う高さの目安とタイミング
土寄せは一度に高く盛れば良いというわけではなく、芽の成長に合わせて段階的に進めるのが理想的です。
最初のタイミングは、芽かきを行った直後、あるいは芽の高さが15センチから20センチほどに育った頃が適しています。
この時は、株元に5センチから7センチほどの厚みを持たせるように土を寄せます。
土寄せによって、伸び始めた茎が風で倒れるのを防ぎ、根元を安定させることができます。
二回目の土寄せは、その約2週間後、あるいは株に蕾が見え始めた頃に行います。
この時期は地中で新しい芋が急速に肥大し始めるタイミングです。
さらに5センチから10センチほど土を積み増し、最終的には種芋を植えた場所から数えて、合計で15センチから20センチ程度の高さの土の層ができるように調整してください。
土寄せを高くすることのメリット
なぜこれほどまでに高さを出す必要があるのかというと先に述べましたようにじゃがいもは種芋よりも上の茎の部分からストロンと呼ばれる管を伸ばし、その先に新しい芋を形成するからです。
もし土が足りず、浅い場所で芋が育ってしまうと成長の過程で芋の一部が地表に露出してしまいます。
日光を浴びたじゃがいもは光合成によって緑色に変色し、ソラニンやチャコニンといった天然の毒素を生成してしまいます。
また、土を高く盛ることで地中の温度変化を緩やかにし、排水性を高める効果も期待できます。
土寄せ作業時の注意点
土を寄せる際には、周囲の土をクワやスコップで軽くほぐしながら寄せてあげると、土の中に空気が含まれて根の張りが良くなります。
ただし、株に近すぎる場所を深く掘りすぎると、せっかく伸びてきた根を傷つけてしまう恐れがあるため、株元から少し離れた場所の表面の土を優しく寄せるように意識してください。
梅雨の時期などは雨によってせっかく盛った土が流されてしまうことも多々あります。
収穫まで油断せず、時折株元をチェックして、芋の頭が見えそうになっていたら、その都度土を足してあげることが、良質なじゃがいもを育てる秘訣となります。