
さつまいもの植え付け間隔はどのくらいが理想?
さつまいもの植え付け間隔が狭いと起こる問題とは?
さつまいもの植え付け間隔は広いほど良い?
こんなさつまいもの植え付け間隔に関する疑問についてご紹介いたします。
さつまいもの植え付け間隔はどのくらいが理想?
基本となる理想の間隔
さつまいもの植え付けで最も広く推奨されているのは、株間30~35センチ、畝間90~100センチです。
この距離は、芋が十分に太るための空間と、つるがきれいに地面を覆うための広がりを両立させた、非常にバランスの取れた数字です。
多くの農業試験場が何十年もかけてデータを積み重ねた結果、ほとんどの品種でこの間隔が最も高い収量と品質をもたらすことがわかっています。
家庭菜園でよくある畝幅ごとの植え方
家庭菜園では畝幅75~80センチが一般的です。
この幅の場合は1条植えが基本になります。
株間は32~35センチに設定すると、つるがちょうど良い密度で広がり、地面を隙間なく覆ってくれます。
畝幅が120センチ以上取れる場合は、2条植えが可能です。
条間40~45センチ、株間30センチ程度にすると、面積当たりの収量を増やしつつ、一本一本の芋に十分なスペースを確保できます。
品種ごとの微調整のポイント
品種によって芋の大きさやつるの伸び方が違います。
紅はるか、ベニアズマ、シルクスイートなど、大きくて甘い芋が特徴の品種は、株間33~35センチが最適です。
小さめで数を取りたいパープルスイートロードやハロウィンスイートは、28~30センチに詰めても形よく育ちます。
一方、伝統的な鳴門金時や種子島紫のように、形の美しさを重視する品種は、38センチ程度に広げると見事な芋ができます。
土の状態で変わる間隔の考え方
肥えた土では芋がどんどん太るので、少し広めに取るのが無難です。
有機物たっぷりの黒ぼく土や堆肥をたくさん入れた畑では、株間35センチ以上が安心です。
逆に、砂地ややせ地では芋の肥大が抑えられるので、30センチでも十分すぎるくらいになります。
土が硬い粘土質の場合は、根が横に広がりにくいので、少し広めに取ったほうが失敗が少なくなります。
植え付け時の簡単な目安
苗を植えたときに、隣の苗の葉先が軽く触れるか触れないかくらいの距離が、ちょうど良い感覚です。
重なりすぎると後でつるが混み合います。
逆に離れすぎると、つるが届かずに地面がむき出しになり、雑草が生えやすくなります。
この「葉先が触れるか触れないか」という感覚を覚えておくと、どんな畑でも失敗しにくい植え付けができます。
結局、さつまいもの理想の間隔とは、芋が心地よく育つための「ちょうど良い居住空間」を確保してあげる距離なのです。
その距離が、ほとんどの場合、株間30~35センチ、畝間90~100センチという形になるわけです。
さつまいもの植え付け間隔が狭いと起こる問題とは?
つるぼけが起こりやすくなる
株間を25センチ以下に詰めると、地上部のつるが過繁茂します。
葉や茎に栄養が集中し、地下の芋に回らなくなります。
結果、芋が極端に小さくなったり、数個しかできなかったりします。
見た目は緑が茂って立派でも、掘ってみるとがっかりするような収穫になります。
病気が一気に広がる
密集すると風通しが極端に悪くなります。
特に梅雨時期に葉が重なり合ったまま湿気がこもると、灰色カビ病や黒斑病が爆発的に発生します。
一度病気が入ると、隣の株へ瞬く間に伝染します。
防除薬をかけても、葉が重なっている部分には薬液が届きにくく、効果が半減します。
日当たりが不足して品質が落ちる
葉が重なりすぎると、下の方の葉に日光が当たらなくなります。
光合成能力が低下し、全体の栄養生産量が減ります。
芋に蓄えられるでんぷんも少なくなり、甘みが弱くなります。
焼き芋にしたときに、ほくほく感や甘さが物足りなくなるのは、こうした日照不足が原因であることが多いです。
芋同士がぶつかって形が悪くなる
地下でも隣の芋と接触します。
ぶつかった部分が平らになったり、変形したりします。
特に細長い品種では、曲がった芋や二股芋が増えます。
見た目が悪い芋は贈答用にも使えず、自家消費でも見栄えが良くありません。
ひげ根が絡み合って収穫が大変になる
狭く植えると、隣の株のひげ根が絡み合います。
掘り上げるときに根が切れやすくなり、芋に傷がつきます。
傷がついた芋は貯蔵中に腐りやすくなります。
また、絡まった根を一本一本丁寧に外しながら掘るのは、とても手間がかかります。
収量は増えても商品価値がなくなる
株間20センチ以下でぎっしり植えると本数は確かに増えます。
しかし、ほとんどが100グラム以下の小芋ばかりになります。
スーパーに出せるような大きさの芋はほとんど取れません。
見た目の収量は多くても、実際に食べられる量や売れる量はかえって減ってしまうのです。
狭い間隔で植えることは、一見効率的に見えても、実際には多くのリスクを抱え込むことになります。
芋が快適に育つための最低限の空間を奪うと、さつまいもはさまざまな形で不満を示してくるのです。
さつまいもの植え付け間隔は広いほど良い?
土地の利用効率が極端に落ちる
株間を40センチ以上、畝間を120センチ以上と広く取りすぎると、同じ面積に植えられる本数が大幅に減ります。
たとえば10アール当たり、標準間隔なら3000本近く植えられるところが、広く取りすぎると2000本を切ることもあります。
収穫量が単純に3割も4割も減ってしまうのです。
家庭菜園でも限られたスペースで少しでも多く収穫したいというのが普通ですから、広い間隔は現実的ではありません。
雑草がはびこりやすくなる
さつまいもはつるを伸ばして地面を覆うことで雑草を抑えます。
間隔が広すぎると、つるが届かないむき出しの場所が多く残ります。
そこに夏の強い日差しを受けて雑草がどんどん伸びてきます。
一度伸びてしまうと、つるの下に潜り込んで取りにくくなり、草取りの手間が倍増します。
芋が大きくなりすぎてしまう
空間に余裕がありすぎると、芋が制限なく肥大します。
一本の株から500グラムを超える巨大芋ができたりします。
焼き芋にするには大きすぎて火の通りが悪くなったり、切り分けるのが面倒になったりします。
また、大きくなりすぎると中心部がスジっぽくなったり、甘みが均一でなくなったりします。
裂根や空洞が発生しやすくなる
特に水分が多い年や、肥料が多すぎる条件で間隔が広いと、芋が急激に肥大します。
皮が成長に追いつかず、ひび割れ(裂根)が起こります。
ひび割れた部分から病原菌が入り、貯蔵中に腐敗しやすくなります。
また、肥大が早すぎると内部がスカスカになる空洞症も出やすくなります。
つるが伸びすぎて管理が大変になる
広い間隔では一本一本の株が旺盛に育ちます。
つるが5メートル以上も伸びて隣の畝にまで入り込んだりします。
つる返し作業が増えたり、隣同士のつるが絡まって収穫時に邪魔になったりします。
広い畑ならまだしも、家庭菜園ではつるの管理だけで疲れてしまいます。
適正サイズの芋が少なくなる
おいしいとされる200~400グラム程度の中玉が一番少なくなります。
極端に大きい芋か、小さく育ちすぎた芋かのどちらかになりがちです。
贈答用にも使いにくく、料理にも扱いにくいサイズばかりになってしまいます。
広い間隔は一見ゆったりと育てているように見えます。
しかし実際には土地の無駄遣い、雑草との戦い、品質の不安定さといった別の問題を引き起こします。
さつまいもにとって本当に心地よいのは、広すぎず狭すぎない、ちょうど良い距離感なのです。
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