
トマトが赤くならない原因とは?
トマトが赤くならないで腐るのは病気?
赤くならないトマトは収穫してから追熟しても赤くならない?
こんなトマトが赤くならない原因についてご紹介いたします。
トマトが赤くならない原因とは?
トマトが赤くならない現象は、家庭菜園や商業栽培においてしばしば見られる問題で、その背景にはさまざまな要因が潜んでいます。
以下では、環境、栽培管理、植物の生理的側面に焦点を当て、トマトが赤くならない原因を詳しく解説します。
気温の影響
トマトの実が赤く色づくためには、リコピンと呼ばれる赤い色素の生成が欠かせません。
リコピンの生成には、気温が大きく影響します。
最適な気温は昼間が20~30℃、夜間が15~20℃程度ですが、35℃を超える高温が続くとリコピンの合成が抑制されます。
これは、酵素の働きが気温に依存するためで、特に日本の夏場のような高温多湿な環境では、トマトが緑色のまま停滞することがよくあります。
逆に夜間の気温が10℃を下回る場合も色づきが遅れることがあります。
寒冷な環境では代謝が鈍り、果実の成熟が全体的に遅延するのです。
地域や季節に応じた品種選びやビニールハウスや遮光ネットを使った温度管理が有効です。
日照条件の不足
トマトは光を多く必要とする植物で、日照不足は色づきの大きな障害となります。
光合成が不十分だと果実の成熟に必要なエネルギーが不足し、赤くならないまま時間が経過します。
たとえば、連続した曇天や建物や木の影が果実に当たる場所では、この問題が顕著です。
また、葉が過剰に茂ると果実が葉の陰に隠れて光を受けにくくなります。
こうした場合は、適度な剪定や葉かきを行い、果実に十分な光が当たるように管理することが重要です。
ただし、葉を過剰に取り除くと光合成能力が低下するので、バランスが求められます。
栄養バランスの乱れ
土壌中の栄養素のバランスもトマトの色づきに影響を与えます。
窒素肥料が過多になると植物は葉や茎の成長にエネルギーを集中し、果実の成熟が後回しになる傾向があります。
その結果、果実が大きく育っても赤くならないことがあります。
一方で、カリウムやリン酸が不足すると果実の色づきや糖度の増加が妨げられます。
カリウムはリコピンの生成を助け、果実の品質を高める役割を果たします。
土壌分析を行い、不足している栄養素を補う肥料を適切に施すことが、色づきを促す鍵となります。
合わせて読みたい記事
-
-
トマトの肥料に鶏糞や油粕はおすすめ?メリットとデメリットとは?
2025/11/14 トマトの肥料
トマトの肥料に鶏糞はおすすめ?メリットとデメリットとは? トマトの肥料に油粕はおすすめ?メリットとデメリットとは? 肥料の種類によって与えるタイミングや量は違う? こんなトマトの肥料の種類と量に関する …
-
-
トマト栽培でカリウムやリンの必要性とは?不足の症状とは?
2025/11/15 トマトの肥料
トマト栽培でカリウムの必要性とは?不足の症状とは? トマト栽培でリンの必要性とは?不足の症状とは? カリウムやリン不足の時に最適な肥料とは? こんなトマト栽培に必要な栄養素に関する疑問についてご紹介い …
品種の特性
トマトには多様な品種があり、すべてのトマトが赤く熟するわけではありません。
たとえば、「グリーンゼブラ」のような緑色のまま熟す品種や黄色やオレンジ色に熟す品種が存在します。
栽培者が赤くならないと悩む場合、そもそも選んだ品種が赤くならないタイプである可能性があります。
品種選びの際は、種苗カタログや販売店の説明をよく確認し、目的に合ったものを選ぶことが大切です。
特に家庭菜園では見た目や味を重視して品種を選ぶことが多いため、事前の情報収集が欠かせません。
植物のストレス要因
トマトが受けるストレスも色づきを妨げる要因となります。
たとえば、極端な乾燥や過湿は根の機能を低下させ、果実への栄養供給を阻害します。
特に灌水が不均一だと、果実の成熟が不均等になり、一部が赤くならずに残ることがあります。
害虫や物理的な損傷も問題です。
アブラムシやハダニなどの害虫が葉や果実を傷つけると植物全体の代謝が乱れ、色づきが遅れることがあります。
また、果実が枝や他の物体に擦れて傷つくとその部分が正常に成熟しにくくなります。
定期的な観察と害虫防除、適切な支柱やネットの使用が、こうしたストレスを軽減します。
合わせて読みたい記事
-
-
トマト栽培で支柱は必要?なくても大丈夫?支柱はいつ頃設置するべき?
2025/11/13 トマトの支柱
トマト栽培で支柱は必要?なくても大丈夫? トマト栽培の支柱の高さはどのくらいがいい? トマトの支柱はいつ頃設置するべき? こんなトマト栽培における支柱の必要性についてご紹介いたします。 トマト栽培で支 …
栽培管理のタイミング
トマトの色づきは、果実の発育段階にも影響されます。
果実が「成熟緑果」の段階、つまり内部がある程度成熟し始めた時期に適切な環境が整わないと赤くなりにくくなってしまいます。
たとえば、早すぎる収穫や逆に樹上で長く放置しすぎると、色づきが不完全になることがあります。
果実の大きさや硬さ、色味の変化を観察し、適切なタイミングで管理を行う必要があります。
特に商業栽培では見た目の均一さが求められるため、収穫時期や環境調整に細心の注意を払うことが重要です。
これらの要因を踏まえ、トマトが赤くならない場合は、まず栽培環境を点検し、気温、日照、栄養、品種、ストレスの各要素を見直すことが推奨されます。
問題を一つずつ解決することで、鮮やかに赤く熟したトマトを収穫できる可能性が高まるでしょう。
トマトが赤くならないで腐るのは病気?
トマトが赤くならずに腐ってしまう場合、病気の可能性が強く疑われます。
果実が成熟せず、柔らかくなったり、変色したり、異臭を放ったりする症状は、病原菌やカビによる影響を示していることが多いです。
以下では、トマトの腐敗を引き起こす主要な病気、その特徴、発生の原因、そして予防策について詳しく解説します。
疫病による腐敗
疫病(Phytophthora infestans)は、トマト栽培でよく見られる深刻な病気の一つです。
この病気は、果実に暗褐色や黒い斑点が現れることから始まり、進行すると果実全体が腐敗します。
斑点は水浸状で、湿度の高い環境では白いカビのような菌糸が表面に現れることもあります。
疫病は特に梅雨時期や長雨の後に発生しやすく、気温が20~25℃で湿度が高い環境で急速に広がります。
病原菌は水滴を通じて広がるため、葉や果実が長時間濡れた状態だと感染リスクが高まります。
果実は赤くなる前に腐敗し、食用に適さなくなることがほとんどです。
予防策としては、まず風通しを良くすることが重要です。
密植を避け、枝や葉が重ならないように剪定を行います。
また、灌水は朝に行い、夕方の水やりを控えることで果実や葉が乾燥した状態を保ちます。
疫病に強い品種を選ぶことも有効で、必要に応じて銅剤や有機農薬を使用した防除を行うとよいでしょう。
灰色カビ病の影響
灰色カビ病(Botrytis cinerea)は、トマトの果実や茎に灰色のカビが広がる病気で、腐敗の原因となります。
果実に小さな水浸状の斑点が現れ、徐々に柔らかくなり、灰色のふわふわしたカビに覆われます。
この病気は、傷ついた果実や花の残骸から感染が始まることが多く、赤くならないまま腐敗が進むのが特徴です。
この病気の発生要因は、高湿度と低温(15~20℃)の組み合わせです。
特にビニールハウス内での換気不足や、果実が密集している場合に発生しやすくなります。
また、果実が枝や他の果実に接触して傷つくとそこからカビが侵入しやすくなります。
防除には、栽培環境の管理が欠かせません。
ハウス内の湿度を下げるために換気を徹底し、果実が接触しないよう支柱やネットで支えます。
感染した果実や葉は早急に取り除き、畑の外に持ち出して処分することで病原菌の拡散を防ぎます。
定期的な観察と早期対応が、被害を最小限に抑える鍵です。
炭疽病による果実の腐敗
炭疽病(Colletotrichum spp.)は、トマトの果実に黒い斑点を生じさせ、腐敗を引き起こす病気です。
初期には小さな黒い点が果実表面に現れ、進行するとその部分が陥没し、果実全体が腐ります。
この病気は、赤くなる前の緑色の果実にも影響を及ぼし、成熟を妨げながら腐敗を進行させます。
炭疽病は温暖で湿度の高い環境で発生しやすく、25~30℃の気温で急速に広がります。
病原菌は土壌や植物の残渣に潜み、雨や灌水による水はねで果実に感染します。
傷ついた果実は特に感染しやすく、収穫時の取り扱いにも注意が必要です。
予防には畑の衛生管理が重要です。
収穫後の残渣を丁寧に片付け、土壌を清潔に保ちます。
また、連作を避けることで病原菌の蓄積を防ぎます。
果実に水がかからないように点滴灌水やマルチングを活用するのも有効です。
感染が疑われる場合は、早期に農薬散布を検討し、被害の拡大を抑えます。
細菌性軟腐病の可能性
細菌性軟腐病(Erwinia spp.)もトマトが赤くならずに腐る原因となる病気です。
この病気は、果実が異常に柔らかくなり、水っぽい状態で崩れるのが特徴です。
悪臭を伴うことが多く、果実内部がドロドロに溶けるような症状が見られます。
赤くなる前に腐敗が進むため、収穫が難しくなります。
この病気は、果実の傷や亀裂から細菌が侵入することで発生します。
高温多湿な環境や害虫による傷が感染のきっかけとなることが多いです。
特にアブラムシやハモグリバエが果実を傷つけるとそこから細菌が入り込みやすくなります。
予防策としては、害虫管理を徹底することが重要です。
防虫ネットや粘着トラップを使用して害虫を減らし、果実の傷を最小限に抑えます。
また、収穫や剪定の際は清潔な器具を使い、果実を傷つけないよう丁寧に扱います。
畑の排水を良くし、過湿な状態を避けることも効果的です。
病気の早期発見と管理
トマトが赤くならずに腐る場合、病気の特定が難しい場合があります。
複数の病気が同時に発生することもあり、見た目だけで判断するのは困難です。
果実の腐敗が進む前に異常な斑点や柔らかさ、異臭に気づいたら、速やかにその果実を取り除き観察を続けます。
地域の農業技術センターや専門家に相談し、正確な診断を受けるのも有効です。
病気の種類に応じた防除方法を選び、必要なら農薬を適切に使用します。
ただし、農薬の使用はラベル指示を厳守し、収穫時期を考慮して安全性を確保することが大切です。
トマトが赤くならずに腐るのは、疫病、灰色カビ病、炭疽病、細菌性軟腐病など、さまざまな病気が原因となり得ます。
栽培環境の改善、衛生管理、適切な品種選びを通じて、これらの病気を予防し、健康なトマトを収穫するための努力が求められます。
合わせて読みたい記事
-
-
トマトの収穫時期と見分け方とは?収穫時期に多い悩みと対処法とは?
2025/7/27 トマトの収穫時期
トマトの収穫時期と見分け方とは? トマト収穫のベストタイミングを逃さないコツとは? トマトの収穫後の正しい保存方法とは? トマトの収穫時期に合わせた栽培管理のポイントとは? トマト収穫後の次作準備と植 …
赤くならないトマトは収穫してから追熟しても赤くならない?
トマトは収穫後に追熟させることで赤く色づくことが可能な作物として知られていますが、すべてのトマトが追熟によって赤くなるわけではありません。
赤くならないトマトが追熟で色づくかどうかは、収穫時の果実の成熟段階や品種、栽培時の環境要因に大きく左右されます。
以下では、追熟のメカニズムや成功のための条件、失敗するケースについて詳しく解説します。
追熟の仕組み
トマトは「クライマクテリック型」の果物に分類され、収穫後にエチレンガスを生成することで成熟が進行します。
このエチレンガスが、リコピンの合成を促し、緑色の果実が赤く色づくのです。
ただし、リコピンの合成がうまく進むには、果実が「成熟緑果」の段階、つまり内部がある程度成熟している状態で収穫されている必要があります。
成熟緑果のトマトは、見た目は緑色でも内部では糖や酸の蓄積が進み、色づく準備が整っています。
この段階で収穫されたトマトは、適切な環境下で追熟させれば赤く鮮やかな色に変化する可能性が高いです。
追熟に最適な環境
追熟を成功させるためには温度と湿度の管理が重要です。
トマトは20~25℃の暖かい環境で最も効率的に追熟します。
温度が15℃を下回るとエチレンの生成が遅くなり、色づきが不十分になることがあります。
逆に30℃を超える高温では、果実が軟化しすぎたり、腐敗したりするリスクが高まります。
湿度も注意が必要です。
湿度が低すぎると果実が乾燥してシワができ、見た目や食感が損なわれます。
一方で、湿度が高すぎるとカビや腐敗の原因になります。
理想的には、湿度を60~80%に保ち、風通しの良い場所で保管することが推奨されます。
紙袋やプラスチック容器にトマトを入れ、エチレンガスを閉じ込める方法も効果的です。
このとき、リンゴやバナナを一緒に入れると、これらの果物が放出するエチレンがトマトの追熟を加速させます。
ただし、密閉しすぎると湿気がこもり、腐敗のリスクが高まるので、適度な通気性を確保する必要があります。
収穫時の成熟段階の影響
トマトが赤くならない主な理由の一つは、収穫が早すぎた場合です。
果実がまだ未熟で、成熟緑果の段階に達していない場合、追熟させてもリコピンの生成が十分に進まず、赤くならないことがあります。
未熟なトマトは硬く、表面に光沢が少なく、内部の組織も十分に発達していません。
逆に樹上で長く放置されたトマトも追熟の効果が限定的になる場合があります。
果実が過熟に近づくと、内部の代謝が低下し、追熟中に色づく能力が失われることがあります。
収穫のタイミングを見極めるには、果実の大きさや硬さ、色味の微妙な変化を観察することが重要です。
一般的に果実の表面がわずかに黄緑色に変化し始めた段階が、追熟に適したタイミングとされています。
品種による違い
トマトの品種は、追熟の成否に大きく影響します。
赤く熟す品種(例:モモタロウやサンマルツァーノ)は、適切な条件で追熟すれば赤くなる可能性が高いです。
しかし、緑色のまま熟す品種(例:グリーンゼブラ)や、黄色、オレンジ、紫色に熟す品種では追熟しても赤くなることはありません。
家庭菜園や小規模栽培では、品種の特性を事前に確認せずに栽培を始めることがあり、期待通りの色にならない場合があります。
種苗カタログや販売元の情報を確認し、赤く熟す品種を選ぶことが追熟の成功率を高める第一歩です。
果実の状態と品質
収穫時の果実の状態も追熟の結果に影響します。
たとえば、害虫による傷や物理的な損傷があるトマトは追熟中に腐敗しやすくなります。
傷口から細菌やカビが侵入し、果実が赤くなる前に腐ってしまうことがあります。
また、栽培中に過度なストレス(例:水不足や極端な温度変化)を受けたトマトは、内部の代謝が乱れ、追熟の過程で正常に色づかないことがあります。
追熟を試みる前に、果実の表面を丁寧にチェックし、傷や異常がないものを選ぶことが大切です。
また、収穫後は清潔な環境で保管し、汚れや病原菌の付着を防ぐために果実を軽く洗って乾燥させてから追熟させるとよいでしょう。
追熟の限界と代替用途
すべてのトマトが追熟で赤くなるわけではないことを理解しておく必要があります。
たとえば、未熟すぎる果実や品種的に赤くならないトマトは、どれだけ丁寧に追熟しても期待通りの結果にならない場合があります。
そのような時には、緑色のままでも食用に適した品種であれば、グリーントマトとして調理する選択肢があります。
グリーントマトは、炒め物やピクルス、ジャムなどに利用でき、独特の酸味と食感を楽しめます。
赤くならなかったトマトを無駄にせず、料理に活用することで収穫の楽しみを広げることができます。
追熟を試みる際は、果実の成熟段階、品種、環境条件を考慮し、適切な管理を行うことが成功の鍵です。
収穫時の判断と保管方法を工夫することで、赤く鮮やかなトマトを得られる可能性を高められるでしょう。